久しぶりに小学校に帰った。
都市化が進んでいる北京の周縁にある村の中の小学校である。
村の住民のほとんどは出稼ぎ労働者で、田舎から出て北京の都市建設に携わっている。
彼らは毎日市内に通って働くが、都市部の拡大によって、住める場所がどんどん外へと押しやられている。三環路から四環路へ、そして五環路へ。
この村は、五環路と六環路の間にある。
やっとたどり着いた校舎は素朴そのものだが、明るい。
民間の手によって運営されている小学校で、夏休みの間は両親とも留守中の子供たちのためにサマーキャンプを開いており、私のようなボランティアが講師をつとめている。
都会の子供とちがって、なかには両親について二十回以上引越しを繰り返した子供もいて、じつにしたたか。
講師とはいえ教壇に立つ経験のなかった私は、子供たちの注意力を引くために一苦労した。
ところが紙型と紙とハサミを渡したら、みんなたちまち夢中になったのである。
我が手から切り紙が生まれた瞬間の感動は、国と年齢を問わず共通しているようだ。
子供たちのキラキラした目は忘れられない。
好きな文様をたっぷり切ってもらったあと、
それらの作品と子供たちが前の授業で描いた絵と書いた詩とを集めて、一冊の本にした.
本作りの流れを子供たちと 一緒に考えながら進め、最後に題名は民主的投票で決められた。
『同心学校の書』という。
学校の名は、同心実験学校であるから。
(韓氷)
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