きりこ・切り飾り(日本)

地方によって「きりこ」や「彫り物(えりもの)」など、

様々な名称で呼ばれる正月飾り、神楽などの切り紙細工。

 

今でも神の依り代や神仏に捧げる御幣や吉祥柄の縁起物として、

全国でその土地の風土に合った多くのかたちが作られている。

作り方には大きく分けて、

和紙に図柄を切り透かした平面的な切り紙と、

和紙を折って複雑な切りこみを入れた立体的な切り紙があるという。

 

各地の花祭では意匠に富んだ切り飾りが作られるが、

たとえば岡山の備中神楽の演目では、

木枠からたくさんの細長い御幣を垂らて天井から吊るし、

精霊が飛んでいるように上下にゆらゆらと動かすそうだ。

神の降臨を、紙が揺れる優雅な動きで視覚化するドラマチックな仕掛けだ。

 

今では白一色で作られることが多い切り飾りだが、

五行を象徴する五色で作る場所もあり、

特に古い神楽では、かたちのなかにも、

神道・陰陽道・道教・修験道といった多様な信仰の混在が見られるという。


 [参考:三上敏視『神楽と出会う本』、2009年]

What's New!

2014/2/1

『窓花/中国の切り紙』の書籍と、展覧会のページを開設。

 

2013/2/28

『魯迅の言葉』の国際賞の受賞に関する、
掲載情報ブログを更新。

 

2012/12/14
「本の贈り物」展をブログでご紹介。

 

2012/8/13

棚っていいとも!〈盆棚〉のページを開設。

 

2012/6/1

「紋切り遊びのビデオ」ページを開設。

 

2012/5/10

『魯迅の言葉』メディア掲載情報を更新。

 

2012/4/7

夏目房之介『マンガはなぜ面白いのか』の中国語版《日本漫画为什么有趣》刊行のお知らせ。

 

2012/1/1

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中国児童書出版レポートの情報や東北被災地での活動エッセイを掲載。

 

2011/5/13

『魯迅の言葉』特集ページを開設。

 

2010/12/28

育つ、私的図鑑:切り紙編」を掲載。

 

2010/09/28

『いろはに もんきりあそび 英語・中国語抄訳版』刊行のお知らせ。

 

2010/08/13

日中切り紙交流展@平塚市美術館の記事を更新。

 

2010/08/12

「生まれた当時の名著のかたち」を掲載。

 

2010/08/10

フィールドノートの走り書き」を掲載開始。

 

2010/08/05

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