プロパガンダ剪紙(中国)

文字を介さない農民が圧倒的多数であったかつての中国農村において、

春節やハレの日に家の内外に貼られる剪紙は、

古くは抗日戦争期から、人々へ政治的メッセージを運ぶメディアとして広く流用された。

 

1930年代、延安を拠点にした革命美術家たちは農村で窓花を収集し、

その様式を模して剪紙風の木版画「木刻剪紙」を制作、

街角に展示したり市で販売したところ、型紙として飛ぶように売れたという。


この時モチーフとされたのは、

勇ましい紅軍の兵士や字を学習したり共に労働する農民たちの姿であったが、

この手法は、文革期にもそのまま用いられ、紅衛兵や毛沢東、理想とされた「新農村」の光景を写した剪紙の型紙を並べたポスターが、当時村々に配布された。


これらのプロパガンダ剪紙や版画は、

農村の風習や生活環境に巧みに取りこまれて人々の暮らしの中に入り込み、

さらに農民たちの手で複製され、広まっていったのだろう。

What's New!

2014/2/1

『窓花/中国の切り紙』の書籍と、展覧会のページを開設。

 

2013/2/28

『魯迅の言葉』の国際賞の受賞に関する、
掲載情報ブログを更新。

 

2012/12/14
「本の贈り物」展をブログでご紹介。

 

2012/8/13

棚っていいとも!〈盆棚〉のページを開設。

 

2012/6/1

「紋切り遊びのビデオ」ページを開設。

 

2012/5/10

『魯迅の言葉』メディア掲載情報を更新。

 

2012/4/7

夏目房之介『マンガはなぜ面白いのか』の中国語版《日本漫画为什么有趣》刊行のお知らせ。

 

2012/1/1

Extrasのページを更新。

中国児童書出版レポートの情報や東北被災地での活動エッセイを掲載。

 

2011/5/13

『魯迅の言葉』特集ページを開設。

 

2010/12/28

育つ、私的図鑑:切り紙編」を掲載。

 

2010/09/28

『いろはに もんきりあそび 英語・中国語抄訳版』刊行のお知らせ。

 

2010/08/13

日中切り紙交流展@平塚市美術館の記事を更新。

 

2010/08/12

「生まれた当時の名著のかたち」を掲載。

 

2010/08/10

フィールドノートの走り書き」を掲載開始。

 

2010/08/05

ブログ「自由研究帖」を開設。